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BNF氏が読んだ唯一の投資本「世紀の相場師 ジェシー・リバモア」③

トレードにおける成功の鍵はメンタルにあるとよく言われます。リバモアの相場への姿勢には学ぶべきポイントが多くありました。その一部を紹介したいと思います。

「市場で自らを鍛え、何かを学び取りたいと念じるなら、身銭を投じて、自分の手口を注視し、失敗から教訓を得ることだ」

「身銭を投じて」という部分、非常に重要だと思います。よくバーチャルで株式投資やFXを体験する話を聞きますが、やはりバーチャルでは負けた時のメンタルが学べないと思いますし、実際にバーチャルで勝ってたから株式投資をリアルマネーで始めたのに、リアルマネーになった瞬間から負け始めるといった声をよく聞きます。

実際にリバモアは「相場師が成功を収めるための戦いは、心理的戦いであって知力の戦いではない。」と言っています。

人間らしい気持ち、感情の自由な働きを自らに許すのは、取引を精算した後、すなわち株や商品に投入された資金がすべて現金化された後である。

ある程度トレードをやり始めた人は、相場に対してメンタルが重要だということは感覚的に分かってきます。しかし、ここまで強い思いをもってトレードを行えている人間がどれくらいいるでしょうか。

BNF氏を取材した動画がYoutubeなどに多く残っていますが、実際に彼はトレード中はレポーターの声も耳に入らない程、真剣にトレードに打ち込んでいます。

この文章を読まれた方で、今一度自分のトレードへのメンタルの姿勢を見なおして見なければと思った方は是非、本書にも目を通して見てください。物語のような構成ではありますが、非常に学ぶべきことが多く記載されています。

BNF氏が読んだ唯一の投資本「世紀の相場師 ジェシー・リバモア」②

トレードが上手な人は空売りが上手い!

これは多くのスーパートレーダーに共通することとして言われています。リバモアはその中でも「ウォール街のグレート・ベア(売り方)」と称されていました。

昔から相場には「上げ100日、下げ3日」や、「登り100日、下げ10日」という格言がありますが、価格の上昇よりも遥かに早いスピードで株価が下落することを表しており、実際にリバモアも価格の下落からうまく利益を得ていたようです。また、価格の下落を意図的に引き起こすことでパニック売りを誘い大きな利益を得ていました。

下落のスピードが早いということはそれだけ短期間に利益をあげることが出来るわけですが、同時に一瞬のうちに資産を溶かしてしまうことにも繋がるわけです。

しかし、このスピードの中でもきっちり利益を上げることが出来ることこそスーパートレーダーへの第一歩ということになるのでしょう。

そんな彼の見出した教訓の中で

「株価が変動する姿のみ意識を集中させよ。変動の理由に気を取られるな」

というものがあります。

リバモアには特定の株価がなぜ上がるか下がるか詮索している時間はありませんでした。

値動きの理由を数え上げれば無数にあるはずで、そして大抵は後になって正確な要因が明らかとなる。そうした後知恵は理解できたところで1セントにもならないのだ

と記載されています。

これは、分析をするなという意味ではないと私は解釈しています。事実リバモアは株の値動きを記録し続け、自分なりに体系立てをし、相場を突き動かしている法則を見出そうとしていました。出た結果を悔やみ後知恵を加えて自分を納得させる時間があるならば、次の株価の変動に意識を注ぐことが大事だと伝えているのだと思います。分析の結果を死ぬほど分析し、自分の中の血と肉になるまで数字を突き詰めたのでしょう。果たして現代のトレーダーでここまでやっている人間がどれくらいいるでしょうか。

リバモアを参考にしたBNF氏も常時600-700銘柄の値動きを監視していたといいます。

やはり一握りのトップトレーダーになるには血の滲むような努力が必要だということでしょう。

BNF氏が読んだ唯一の投資本「世紀の相場師 ジェシー・リバモア」①

個人投資家には稼いでいる人が沢山います。

その中でも伝説的なトレーダーとして知られる存在と言えばBNF氏。資産をたった5年で100万円台から100億円にまで増やしたことで株をやっている人には有名な話です。

BNF氏が株を始めた頃はオンライン証券も今のように整ってはいませんでした。株取引の参考になる本もほとんどなかった状況です。そのため、毎日ストイックに株の画面を見ることで独自の理論を構築していったとされています。その手法はBNF氏本人の書き込みなどから多くの方がまとめ記事などを挙げています。しかし、その時の相場に合わせて変えていくことが出来たことこそBNF氏がスーパートレーダーと言われる理由ではないでしょうか。

そんなBNF氏が唯一読んだ投資の本として「正規の相場師 ジェシー・リバモア」があります。BNF氏が書籍の名前を挙げたことで一時期入手が困難になり、増刷までされた有名な本です。「その時の相場に合わせて手法を変えていく」この重要性が書かれているのがまさに本書だと思います。

本書では世界的に有名なトレーダーであるジェシー・リバモアの人生がまとまっています。最後には頭に銃を突き付けて自殺する壮絶な運命をたどる彼の人生ですが、その物語の中に彼の投資の手法、考え方が散りばめられています。

Jesse Livermore

 

私自身この本を読んで、株に対する考えが大きく変わったポイントがいくつもありました。

「人の心はいつの世も変わらず、変わるのは人々の顔ぶれであり、財布の中身であり、カモにされる連中であり、株価を操ろうとする連中であり、戦争であり、天災であり、技術であるということだ。しかしそうした要素がいかに変化しようと、株式市場は変わらない。なぜか。人の心が変わらず、人の心こそが市場を動かすとすれば、市場もまたいつの世も変わらないのだ。市場の動きに理屈はない。経済学で動くわけでもないし、理論に従って動くものでもない。市場を動かすのは人間の感情にほかならず、なぜかといえば人々はなし得るほとんどすべてのことを市場に持ち込むからだ。」

これは私が何度も読み返した文章です。

市場の動きに理屈はない。

株を分析する仕事をしていた私にとっては本当に頭をかち割られるほどの内容でした。大局で株を見ることの重要性に改めて気付かされた文章でした。

その他にも彼の考え方で非常に参考になった部分をいくつか紹介したいと思います。