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米・人口統計データを読み解く3つのポイント!

経済活動は企業の活動やお金の動きによって成り立っています。しかし、その中心にいるのは人です。人が企業を運営し、お金を支払うからこそ、経済は循環していきます。人口の動向を知っておく事は多くのデータの基礎となるため、3つのポイントを読み解いてみたいと思います。

英語名称:Population
出所:センサス局(United States Census Bureau)
サイト:http://www.census.gov/
発表タイミング:10年に一度(都度予想は行っている)
注目度:★★★★☆

①米国・国勢調査とは
米国では憲法第1章第2条第3項(在日米国大使館サイトで確認できます)において、10年毎に人口算定をすることを義務づけています。これをもとにセンサス局では1790年以降、10年に一度国勢調査(センサス、Census)を実施しており、直近は2010年4月1日に第22回調査が実施されています。国勢調査は、名前、生年月日、性別だけでなく、人種や資産の保有状況などの調査も行っています。下院の各州への議席配分や直接税など、国勢調査をもとに算出されます。そのため、経済の分析の基礎になるためだけでなく、政治的にも非常に重要な意味を持ちます。

②米国の人口推移を読み解く!
米国の人口は独立当時(1790年)の392万にから10年前比で30%以上の成長を続けてきました。人口増加率が20%代に大きく落ち込んだ1870年は南北戦争の影響があったものと推測されます。その後10年で増加率は30%代に反発したものの、そこからは増加率が減少基調に転じています。1920年に人口は初めて1億人を突破。しかし、1940年には戦争による影響で増加率が大きく減少しました。戦後はベビーブームもあり、1960年に+20%近くまで回復したものの、それをピークに人口増加率は減少。2010年には3億人を初めて超えたものの、増加率は9.7%と10%を割り込みました。

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(出所:センサス局のデータを基に著者作成)

③国際比較、将来推計には国連の人口統計を用いる!
上述した米国センサス局のデータは、アメリカに特化したデータになります。しかし、国際的な人口比較を行う場合には、国連が発表している人口統計を用いることが多くあります。国連の人口統計は今後の世界の人口の推移を推計しているので将来的な分析をするのに有用です。

国連のデータにはコチラからアクセスできます。

将来的な予測として使われる人口統計データの一つに人口ボーナスという言葉があります。人口ボーナスとは、人口構成が「経済成長にプラスの影響を与える状態」のことであり、一般的に生産年齢人口(15〜64歳)とそれ以外の年齢の比率のことをいいます。この比率が2倍を超えると一般的に経済成長は加速すると言われています。将来予想を用いて今後の人口ボーナスを予測してみるのも有用と言えるでしょう。