カテゴリー別アーカイブ: データを読み解く!

主婦の財布の実状を読み解く3つのポイント!

2014年9月29日(月)の日経MJの一面は「主婦の財布 増税で悲鳴」というタイトル。日本経済は上向いて来たと聞くものの、生活を支える主婦の実状はどうなのか?3つのポイントから読み解いてみました。

①景気を「良い」と感じる主婦はたったの2%
今回の記事で日経は1030人の主婦に景況感を「良い」「普通」「悪い」 の3つで答えてもらうアンケートをとっていました。その結果は以下の通り。現在の景気を「悪い」と感じる主婦は49%と、「良い」と答えた主婦の2%の結果を大きく上回ったようです。アベノミクスで経済が回復したと聞こえる中でも家計にまでその恩恵は届いていないというのが実状のようです。半年後の景気に関しても「悪い」と答える人は56%と悲観的な見通しが出たようです。

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②低所得者ほど厳しい現状
2014年の4月に消費税が5%から8%に増税されました。消費税は低所得者にも高所得者にも一律の税金がかかるため、低所得者に負担を強いる税金とも言われています。事実、 世帯年収別で見た景況感を見てみると、低所得の世帯ほど「悪い」と答える人が多い傾向にあります。

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③節約している物を扱う企業は株価も回復していない。
以下の図は、主婦が節約しているものを順に挙げたグラフになります。節約しているものの最上位は衣服で81%の主婦が節約している結果となりました。外食もそれに引き続き78%の主婦が節約しています。

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では、実際にこの結果が株価に現れているのかを見てみましょう。以下のグラフは過去2年間の株価の上昇率を表しています。青が日経平均、赤がしまむら、緑はハニーズのアパレル企業2社の株価推移です。2年間で日経平均は80%以上の上昇率を示しているものの、アパレル企業2社はほぼ横ばいのままです。消費者の実情は如実に株価に現れることが分かると思います。居酒屋も同様の株価推移を示しているところがほとんどです。低所得者層をターゲットに商品を展開する企業はこの現状をもとに、どのような打開策をとってくるかに注目です。

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8月の外食産業を読み解く3つのポイント!

8月の外食産業の動向が出そろいましたので、現状を3つのポイントから読み解いてみたいと思います。

8月の外食産業月次結果一覧

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①業績回復の企業が増えてきた。
動向を確認した 31社のうち、21社が既存店売上高で前年同期比プラスとなりました。景気の回復が言われ続けてからも外食産業は厳しい状況が続いていましたが、ようやく業績の回復が見えてきたようです。この数字を読み解くと業績の回復の要因は客単価を上げたことに起因しています。安売り競争を続けてきた業界がようやく全体的に価格を上げる方向で動いてきたことは業界にとってプラスとなると思います。(消費者の立場からすると厳しいですが)

②客数はまだまだ回復せず
結果を確認すると、31社中、11社しか客数を前年より伸ばせていません。以前にこちらのコラムで紹介しましたが、客数が回復しているところは、高単価の業態から飲みの客を取り込んだことが挙げられます。客数を伸ばす戦略をどのように練るか、これが業績回復の一番のポイントとなるようです。 

③客数、客単価が大きく回復してきたトリドールに注目

8月のトリドールの月次情報を確認すると、客足、客単価ともに大きく回復してきています。これは初めて行ったTVCMによるところが大きいと思われます。以下に月次情報と株価を載せました。やはり、8月からの業績回復を予想して、株価が20%以上上昇しています。このように、外食産業は業績と株価が連動することが多いため、自分で足を運んで前より人が増えたな?なんて感じた会社の株を買ってみるとよいかもしれませんね。

トリドールの月次情報 (コチラからもご確認出来ます。)

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2014年の地価調査結果を読み解く3つのポイント!

2014年9月18日に国土交通省から2013年7月以降の1年間の地価についての調査結果を発表しました。この調査結果は不動産株、経済全体の方向性を確認する上でも重要な指標です。今回の結果を3つのポイントで読み解いてみたいと思います。

①調査結果を読み解く

調査結果はこちらから閲覧出来ます。(平成8年から調査結果を載せてます)

大きなポイントは三大都市圏全ての住宅地の地価が上昇に転じたことでしょう。これは低金利、住宅ローン減税等の施策によるバックアップもあり住宅需要を下支えしたことが要因に挙げられます。商業地も去年の調査で三大都市圏全体が上昇に転じましたが、26年の調査ではその上昇率が拡大しました。依然として低金利が続いている状況から不動産投資意欲が高まってきていること、オフィスの空室率が下がってきており、オフィス需要が更に高まったことが要因となります。また、商業地をマンション用地として利用する動きも出ているとのことです。

地方圏に関しては未だ8割弱の地点で地価下落という結果になっています。確かにこの調査結果をみると下落率は減少しているもののまだまだ下落は続いているようです。経済は上向きになってはいるものの、地方の地価がプラスに転じるほどの力はまだないと見る事もできます。直近では石破さんが地方創世担当相に任命されました。地方を活性化していきたいという国の政策がこの1年間でどのような結果をもたらすか、というポイントに着目して今後の地価動向を見てみると面白いかもしれませんね。

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②不動産株への影響について

ニュースなどではすでに三大都市圏の住宅地がついに上昇に転じた!と大きく報道があり、不動産株はすごくいいんじゃないの?と思われる方も多くいると思います。しかしこのデータはこの1年間の動向をみたもので、あくまでも確認の意味合いが強いということに注意する必要があります。不動産株はこの結果を見越して既に昨年大きく買われていましたので、この結果を受けて株価が急上昇するということはありませんが、今後もジワジワと上昇するための後押しになる材料がでたという認識でいるといいのではないでしょうか。

③この結果を投資に活かすには

「今から不動産が上がっていくから住宅買うなら今ですよ」なんて売り文句を、この1年で耳にした方は多いのではないでしょうか。この資料のいいポイントは、どんなところの地価が最も上昇したのか?ということが書いてある点です。

以下に資料をアップしますが、実際の資料を確認したい人はこちら。

これをみると分かる通り、①大型施設や都市開発が行われるところ、②交通アクセスが向上するところ、③観光やリゾート開発が進むところで特に上昇が見られています。

例えば②では金沢駅前の地価が上がっています。これは北陸新幹線の開業を見越してのことです。以前から言われており、昨年も上昇に転じているのですが、今年もまた上昇する結果となっているということが分かります。つまりこのような情報を早くに仕入れて、実物の不動産を取得することができれば大きな値上がりが期待出来るというわけです。(でも、不動産投資はちょっとお金がかかりますから、なかなかすぐに活かすことはできないかもしれませんが)

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