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米・雇用統計が発表されました!(2014年10月3日)

本日(2014年10月3日 日本時間21:30)に市場が注目する米・雇用統計が発表されました。
(雇用統計詳細はコチラ

発表前の予想値と実際の数値は以下の通りです。

非農業部門雇用者数変化:(事前予想)+21.5万人 →(結果)+24.8万人
失業率:(事前予想)6.1% →(結果)5.9%

本日の結果を直接ご覧になりたい方はコチラをご確認下さい。(英語での発表です)

市場の事前予想を大きく上回る雇用者数の増加と、失業率が低下していることがわかりました。これを受けて市場は米国経済の回復を好感し、ドルが大きく買われました。発表直後に急激なドル買いが行われた後も持続的なドル高が続いています。ここ数日、110円の壁に跳ね返されていましたが、さらなるドル高に進む可能性も高いのではないかと私は考えています。

発表直後のドル/円の動き

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次回雇用統計の発表日
2014年11月7日(金)22:30発表
11月からは夏時間ではなくなるので、日本時間の発表が10月よりも1時間遅くなることにご注意下さい。 

米・週次失業保険統計を読み解く3つのポイント!

労働省は毎週、失業保険新規申請件数、失業保険継続受給者数、延長給付(EB:Extended Benefits)、緊急失業給付(EUC:Emergency Unemployment Compensation)等の失業保険統計を発表しています。景気先行指数を構成する指標の一つでもあり、注目度の高い指標の一つです。この週次失業保険統計について3つのポイントから読み解いてみたいと思います。

英語名称:Unemployment Insurance Weekly Claims
出所:米国労働省(DOL:Department of Labor)
サイト:http://www.dol.gov/ui/data.pdf
発表日時:毎週木曜日 8:30 E.T. (日本時間 夏時間(4-10月)21:30、冬時間(11-3月)22:30)
注目度:★★★★☆

①失業保険とは
失業保険統計は全数調査であり信頼性が高く、毎週公表しているためにタイムリーな雇用情勢を把握することができます。中でも注目すべきは新規失業保険申請件数で、新しく申請された失業保険の件数を表します。景気後退局面では失業保険新規申請件数が増加する傾向にあります。失業保険継続受給者数とは失業保険を受給している人の総数であり、新規申請件数の1週間後に発表されます。

失業保険制度は州によって、受給条件(額、期間)が異なるが、通常の受給期間は最大で26週間。労働省は月次データとして、新規に給付された件数(First Payments)と最終週(26週目)に給付された件数も発表しています。

②どこで確認する?
米国労働省が発表するデータですので、英語のHPを見る必要があります。それでは分かりづらいという方はみんなの外為などでチェックされるのがよいでしょう。コチラからこの指標が表示されているページにリンクします。

しかし、いち早く自分の目で確認されたいという方はコチラをご確認下さい。米国労働省が毎週発表する最新のニュースリリースにリンクさせています。ページを開くと以下のような英語が出てきます。大概この本文の最初に「initial claims was 293,000」という赤丸で囲った表記があります。こちらが、新規申請件数の数になります。
 Insurance data1

文章は発表によって変わることがあります。その場合には、大概3ページ目に以下のような表が出てくるので、赤い四角で囲った数字を見て頂ければ、過去3週間分のデータを確認することができます。

Insurance data2

③注目するポイント
失業保険新規申請件数は、その速報性から最新の雇用動向を分析する上で重要な指標であると考えられています。以下のポイントを確認しておくことが重要です。

(1)失業保険統計はリアルタイムの数字として信頼性が高く、40万件が雇用創出の分岐点とも言われています。新規申請件数が40万件を下回る場合は、非農業部門雇用者数の増加を示唆します。

(2)3万件以上の増減があると、雇用情勢に変化があるとみる市場関係者が多いようです。

(3)特に、雇用統計調査がある週(12日を含む週)の週次失業保険統計は多くの注目を集めています。

(4)週毎に調査され発表される指標のため、祝日や長期休暇といった要因で申請件数が大きくぶれることがよくあるので、その場合には4週間の移動平均のデータをみることも有用です。(上述した表の中にある4-Wk Moving Averageというデータです。)

米雇用統計を読み解く3つのポイント!

米雇用統計とは米国の雇用情勢を調べ、数値化した経済指標のことです。事業所調査(Current Employment Statistics : CES)と家計調査(Current Population Survey : CPS)の2つからなる労働統計で10以上の項目の統計が発表されます。雇用統計は速報性に優れており景気の動向を知る上でも非常に重要な指標です。この重要な雇用統計を3つのポイントから読み解いてみたいと思います。

英語名称:Employment Situation 
出所:労働統計局(Bureau of Labor Statistics : BLS)
サイト:http://www.bls.gov/ces/(非農業部門雇用者数)
   :http://www.bls.gov/cps/(失業率)
発表日時:雇用統計調査週(12日を含む週)の3週間後の金曜日 8:30 E.T. (通常は翌月第1金曜日)
     (日本時間では 夏時間(4-10月)21:30、冬時間(11-3月)22:30となります。)
注目度:★★★★★

①最も重要な二つの指標を知る!
雇用統計の中でも最も重要な指標は「非農業部門雇用者数」と「失業率」の2つ。この2つの指標は発表と同時に為替市場に影響を与えるほど重要な指標として発表の瞬間に注目が集まっています。

非農業部門雇用者数について
毎月14万社を超える企業及び政府関連機関に対する事業所調査から作成されます。調査対象のうち、40%程度は従業員が20人未満の中小企業で構成されており、民間の実態もしっかりと反映されていると言えます。非農業部門雇用者数は、農業部門以外で、フルタイムまたはパートタイムの労働に従事し、雇用統計期間(12日を含む賃金支払期間)の労働に対して対価が支払われた人数です。派遣労働者者や、有給休暇中の労働者も含まれています。除かれている人は起業家、個人事業主、ボランティア労働者、農業部門の労働者、軍人等です。

失業率について
毎月6万世帯に対して行われる家計調査の中で、最も注目されるのがこの失業率の動向です。調査対象は16歳以上の生産年齢人口(刑務所に服役中や病院で休病中、軍人は除く)。 生産年齢人口は下図のように労働力人口と非労働力人口に分類されます。その労働力人口の中の失業者の割合がこの失業率となります。

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②どこで見れるの?
各指標とも労働統計局が発表するデータですので、英語のHPを見る必要があります。それでは分かりづらいという方はYahoo Financeなどでチェックされるのがよいでしょう。コチラから二つの指標が記載されているページにリンクしています。 

しかし、いち早く自分の目で確認したいという人はそれぞれ以下を参照されて下さい。

非農業部門雇用者数はコチラ
以下の事業所調査のページにリンクしています。右上の赤丸で囲んだ部分をご覧頂けると分かる通り、「Change in Total Nonfarm Payroll Employment」ということで、+142,000 (p) in Aug 2014と記載があると思います。これは2014年8月の非農業部門雇用者数の変化は前月と比べて14万2千人増えたことを意味しています。

Nonfarm payroll employment 

失業率はコチラ 
以下の家計調査ページにリンクしています。右上の赤丸で囲んだ部分を見ると「Unemployment Rate」6.1% in Aug 2014とあります。これは、2014年8月の失業率は6.1%であることを示しています。

Unemployment rate

③為替との関係を知る
この数値を見る上で重要なことは、その数値自体ではなく、市場の予想と比べて上回ったのか下回ったのか。ということです。予想はYahoo Financeなどでみることが出来ます。この予想よりも下回る(雇用が少ない、失業率が高い)場合、景気回復が鈍っていると見られてドルが売られることになります。つまり円高の方向に為替が動くわけです。これを知った上で指標を確認してみると、経済の動向を掴むことができるようになります。