20140919(金)の日経MJの一面には「テレビ通販 午前0時の熱狂」というタイトルでテレビ通販に関する記事がありました。市場規模は過去最大となったようですが、データをもとにテレビ通販に関して3つのポイントを読み解いてみたいと思います。
①テレビ通販の現状
ネット通販が増えたいま、テレビ通販なんてと思う方もいらっしゃると思います。しかしテレビをみて、パソコンやスマートフォンから簡単に注文が出来るようになったからこそ、テレビ通販の市場規模は着実に拡大しているのです。通販新聞によると2013年度の市場規模(主要30社の売上合計)は5,200億円を超えたようです。
2013年度テレビ通販売上高ランキングは以下(通販新聞より)の通りです。
1位 ジュピターショップチャンネル 1,327億円(前年比+4.4%) 2位 QVCジャパン 1,000億円 (+0.3%) 3位 ジャパネットたかた 427億円(+65.7%) 4位 オークローンマーケティング 285億円 (-6.1%) 5位 テレビショッピング研究所 206億円 (7.5%)
2013年は大ヒット商品がなかったと言われるなか、テレビ通販大手のジュピターショップチャンネル、QVCが着実に業績を伸ばしたことに加え、ジャパネットたかたが大きく売り上げを回復させたことが市場規模拡大の大きな要因となりました。
→通販新聞の記事はこちら
②今後のテレビ通販を読み解く
数字を少し読み込んでみると、市場規模の拡大はほぼジャパネットたかたが売上を回復させたことによるものです。大手2社も堅実に業績をあげた一方で、他社を見てみるとこれまで拡大傾向にあった業績が横ばいとなっている状況が伺えます。増税前のかけこみ需要もあったことを考えると市場の成長は鈍化してきているのではないかと見る事が出来るのではないでしょうか?
成長が鈍化していることの原因には以下の二つが上げられます。 (1)商品のマンネリ化 (2)テレビ通販枠価格の高騰
(1)商品のマンネリ化とは、例えば健康食品でいえば新しい成分がでてきていないことが挙げられます。現状で売れているサプリメントの多くが未だに「プラセンタ」や「グルコサミン」など以前から知られているものが中心になっており、新しいブームが生まれてきていません。
(2)テレビ通販枠の価格は、通常の広告市況が回復してきていることから価格が高騰しているようです。
この2点を踏まえると、広告宣伝費を多く使うことができる大手の売上が上がり、中堅の会社の業績が伸び悩んでいる状況も頷けます。
しかしテレビでの宣伝に効果がないということではありません。皆さんはライザップをご存知でしょうか?健康コーポレーションが手がける会員制のトレーニングジムが人気を集めています。広告宣伝をうまく使う会社として有名ですが、テレビCMを開始した直後に、大きく売り上げを伸ばしました。このようにテレビには人気を爆発させる効果もあることがわかります。
つまり、健康コーポレーションのようにWebや通常広告にテレビをうまく活用するミックスメディアでのマーケティングが今後のカギになっていくと思われます。
(健康コーポレーションは非常に面白い企業ですので、今後分析のコラムを執筆致します。)
③テレビを活用してお金を稼いでみる
テレビの爆発力には凄い力があります。これは日本人が昔からテレビ好きなことに加え、海外と比べてチャンネルが少ない分視聴者が集中するため、広告としての効果が高いのです。インパクトのある宣伝やテレビというのはそれだけでその会社の株価を大きく上がることがあります。上述した健康コーポレーションのテレビCMですが皆さんご存知でしょうか?
こちらの動画ですが、このCMがながれた後の健康コーポレーションの株価がどうなったかを想像して見て下さい。答えは少し下に。。
https://www.youtube.com/watch?v=Xz_JWZkqdRY
・
・
・
・
・
・
なんと株価が倍になっています。こんなCMを見つけて投資することができると凄くテレビをみるのもワクワクしてくるかもしれませんね。