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楽しく株を学ぶ 〜はじめに〜

皆様は株に関してどれだけの知識をお持ちでしょうか?このタイトルを見てサイトを訪問して下さった方の多くは、株には興味があるけれども買ったことはない人や、何度か買った事はあるけれどなんとなく売買して損して終わっちゃった、というような人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

株は怖いもの、、そういった思いをもたれているかたもいらっしゃると思います。確かに株は買い方によってはギャンブルにもなり得ます。しかし、視点を変えて見て下さい。株を買う事で経済を学んでみようと思えば、少しぐらいの損ならば授業料として支払ったと思えばよいのではないでしょうか?持っている株が値上がりすれば儲け物ぐらいの気持ちをもって株を買ってことで、株を通して経済を見通すことができるようになり、日々のニュースや経済の動向が楽しくなってきます。

簡単に私の自己紹介をさせて頂きますと、私は米国大手証券会社と英国の大手証券会社(専門用語では投資銀行と呼びます)に務めていました。そこでは企業の分析業務に携わり株の情報をプロ向けに発信しておりました。その後は独立しコンサルタントとしてまた、取締役としてなど中小企業の事業の立ち上げに参画したり、企業へのアドバイスなどをさせて頂いております。また自らも海外の不動産に投資をするなど投資家としても活動しております。

多くの人が株を知る事で、経済に興味をもって頂ければと思い執筆を開始致しました。プロに情報を発信した経験もありますが、タイトルにもある通り、楽しく株が学べるように主婦の方や学生の方などこれから株を学ぶ方が分かりやすいような内容にしていきたいと思います。また、株をやったことがある人も楽しく学べるよう、大手から中小企業までを分析・アドバイスをしていてコンサルタントとしての視点も踏まえて独自の切り口で執筆していきますので、投資材料としてみるのではなく、あくまでも一つの見方として見て頂ければ嬉しく思います。

これから執筆していく内容が少しでも皆様の参考になれば幸いです。

NAHB住宅市場指数を読み解く3つのポイント!

2014年9月17日の日本時間23時にNAHB住宅市場指数が発表されました。海外の経済統計情報は日本の株式市場が開く前に発表されるため、朝一の株価の動きに影響を与えることが多くあります。少しずつではありますが、その数字を読み解きながらポイントを紹介したいと思います。

①2014年9月17日 23時発表の結果

結果:59 予想:56 前回:55 (次回発表予定日:2014年10月16 日)

2005年11月以来、9年ぶりの高水準を記録。4ヶ月連続での上昇している。雇用の改善に伴って、6月頃から需要の回復が鮮明となっています。

②NAHB住宅市場指数について

英語名称:NAHB / Wells Fargo Housing Market Index
出所:全米ホームビルダー協会(NAHB)、Wells Fargo
サイト:http://www.nahb.org/
発表日時:月の中央
注目度:★★★☆☆

NAHB住宅市場指数とは

NAHBに加盟するメンバーの住宅建設業者に対する調査を基に作成される住宅市場の景況感指数で、1985円1月に調査が開始されています。およそ、400の調査回答を基に、(1)住宅販売(直近の新築一世帯住宅の販売動向)、(2)販売見通し(今後6ヶ月間の新築一世帯住宅の販売見通し)、(3)客足の3つの指数から計算されます。全ての項目は{ [ (良い/高い) - (悪い/低い) + 100] ÷2}で計算されています。NAHBは地域別(北東部、中西部、南部、西部)の指数も発表しています。

住宅市場指数が上がるということは、今後の景気拡大や住宅価格の上昇を予想している人が多いということで、ドルが買われやすくなります。(円安になるということになります)判断の分かれ目となる指数は50です。

Yahoo Financeのページが見やすいと思います。コチラをご参照下さい。

③数値を見る上でのポイント

1)NAHB住宅市場指数は、住宅着工件数との相関が高い

2)個人の住宅購買意欲を示す客足指数は、新築住宅販売の動向と相関が高い

このポイントを知っておくとよいでしょう。

 

ソニーの下方修正を読み解く3つのポイント!

ソニー(証券コード 6758)が9月17日の午後3時(株式市場がしまった後)に、2015年3月期の通期業績の下方修正を出しました。明日からの株価は厳しいものが予想されますが、このニュースに関して3つのポイントから読み解いてみたいと思います。

→ソニー株式会社からのリリースはこちら

①営業利益の予想を1400億円の黒字から400億円の赤字に下方修正

営業利益とは会社の本業からの利益を表します。ソニーは今期(2015年3月終了時点で)1400億円の黒字になると会社の予想を出していましたが、この予想を黒字から一転、400億円の赤字になると発表したのです。額も大きかったので、これにはかなり驚きました。

理由はスマートフォンの販売が世界的に振るわなかったこと。中国や新興国市場において、低価格のスマホに押されて中級機種の販売が低迷したことが大きな理由のようです。

これを受けて、モバイル端末事業の人員の15%にあたる1000人の人員削減を発表しました。

しかし、実はこの兆候はしっかりと会社の発表を聞いている人は感じ取っていた人もいたかもしれません。2014年7月31日にソニーが発表した決算短信をご覧下さい。1ページ目の通期業績予想については変更なしとあるのですが、12ページの各セグメント毎の営業利益の予測をみると、モバイル事業の予想を下げており、代わりに他の事業の予想を引き上げることで調整していることがわかります。ここから、調子の悪さを感じ取っていた人は敏感にモバイルの不調に注目していたことと思います。

②1958年に東証に上場して以来初めての無配

これは大きな出来事だと考えられます。実はソニーは過去に赤字に陥った際にも株主を尊重して配当を続けてきていました。しかし今回は財務体質の立て直しを優先するため、応援してくれている株主にお金を払いませんと宣言したわけです。それほどまでに厳しい状況と見てよいのではないでしょうか。

③9月18日からの株価について

大きな下方修正だけでなく、配当の無配はかなりのインパクトがあると思います。無配とは株を保有していることによる配当での利益が見込めないということです。これまでソニーを応援していた投資家も、業績の回復が見込めるまでは一度株を手放す方が懸命だと考られます。そのため業績の安定回復が見えるまでは株価は低迷するのではないかと私は見ています。ソニーは伝統と信頼のある会社でソニー株を好む人も多くいると思います。業績回復の兆しが見える材料(ニュース)がでれば株を買い直す人もいると思いますので、その時を逃さないようにチェックしておくことがポイントかと思われます。

LINEのスタンプ事業を読み解く3つのポイント!

もはや知らない人はいないであろう無料でメッセージや通話のやりとりが出来るLINE。2014年9月現在で全世界での利用者数は4億人。日本のユーザーは5200万人になったと発表されました。人気に火をつけたのはスタンプの存在が大きいと言われてます。言葉では伝えづらい感情も、スタンプのキャラクターが表現してくれることで、言いやすくなる。このようにコミュニケーションの距離を縮めることに成功したことがスタンプの一番のすごさといえます。

そんなLINEのスタンプ事業を3つのポイントで読み解いてみました。

①スタンプ事業の現状

以前は企業が数百万〜数千万を支払わないと販売できなかったLINEのスタンプ。2014年4月から一般の方が制作・販売できるようになりました。スタンプ長者が生まれるなど、大きくスタンプをとりまく状況が変わってきています。

一般の人が作成したスタンプを登録販売できるのは「LINE CREATORS MARKET」

(1)LINEのアカウントを持っている人は誰でも登録できる

(2)審査を経た後で販売されるスタンプは、販売価格の半分(100円ならばそのうちの50円)が利益となる

(3)世界中4億人のユーザーがターゲットになる

これらの理由からスタンプのクリエーターが続々と増えているようです。

また、一般のクリエイターのスタンプの販売解禁から1ヶ月間のLINEがその状況を報告しています。スタンプの販売総額は1億5千万円を突破、販売額10位までの平均販売額は470万円を突破しているようです。9月現時点でのスタンプマーケットは約12億円へと急拡大しています。もし、1年間10位以内を続けるようなスタンプを販売することができれば、470万×12ヶ月×50% = 2820万の収入となります。これを考えるとスタンプ長者が生まれてきていることも頷けます。

ちなみに、こちらのスタンプの作者が、9月17日のグッドモーニングに取り上げられていました。すでに収入が1千万円を超えているとのことでした。

LINE stamp

②スタンプ長者になるには

多くのクリエイターがいる中にはプロのイラストレーターとして働いていた方々も多くいるようですが、絵がうまいからといって売れるわけではないようです。

上述したクリエイターがインタビューの中でいっていた売れるポイント、それは

「会話で使いやすいかどうか」

だそうです。事実、LINEもそのように報告しており、今後スタンプ長者を目指す人はそこを意識して作成してみるといいかもしれません。

Stamp sales

なお、イラストレーターなどのソフトが使えなくてもスタンプを作成、販売するための内容を上手にまとめたサイトがありましたので、こちらをご参照下さい。

http://teamsanta.info/web/978/

このサイトをみると、イラストレーターを使えない私もちょっと挑戦したくなってしまいました・・・が、絵心がない私にはやはり厳しいかもしれません。

 

③LINEに投資したい場合

LINEの株を買いたいんだけど・・と思われる方も多くいらっしゃると思います。実際に私も数名の方に「LINEの株って買うことが出来るの?」と聞かれた事があります。そもそもLINEですが、これは少し前まではサービスの名前だったのです。NHNジャパン株式会社が運営していましたが、2013年4月1日以降、LINE株式会社へと商号を変更しております。

しかし、LINE株式会社自体はまだ上場していません。親会社は韓国のNaver社です。(韓国での証券コードは<035420.KS>)今、LINEの株を購入したい場合にはこのNaver社の株を買えばよいということになります。

LINE株式会社の上場は2014年の秋頃を予定されています。上場時点での時価総額は1兆円を超えると見られており、その動向には市場関係者だけでなく、多くの方の注目が集まりそうです。

間違いなく、人気株となるであろうLINEの株。IPO(新規公開株)と呼ばれる、一般に販売される前に割引価格で購入することもできます。安く購入することができるため、IPO株は抽選で購入者が選ばれます。しかし、抽選への応募に関しては無料ですので、LINEの株が欲しいという方は証券口座を開いておくことをオススメ致します。

 

 

ジェイアイエヌを読み解く3つのポイント

皆様はジェイアイエヌという会社をご存知でしょうか?

 
株式投資をやっている人なら聞いたことがあるかと思いますが、会社名だけ聞くと知らないと答える方も多くいると思います。
でも次の商品を扱っている会社というと、多くの人が「おおっ」と頷くことでしょう。
 
「JINS PC」
 
そう、この爆発的に売れている眼鏡を販売している会社こそ、このジェイアイエヌなのです。
 
このジェイアイエヌ社を3つのポイントから読み解いてみたいと思います。
 
①これまでの軌跡
 
まずはジェイアイエヌの沿革をご覧下さい。2009年以降、売上・出店のペースが加速しています。
JINS 沿革

これは、ジェイアイエヌがしかけた3つの戦略が奏功しています。
1つは2009年の5月に導入した「オールインワンプライス」で、レンズの追加料金をとらない画期的な料金プライスを提示し、今では眼鏡業界のスタンダードとなっています。
2つに2009年9月に投入した「air flame」です。空気のようなつけ心地でつけていることを感じさせないことがヒットに繋がりました。
そして、3つめが皆さんもよく知っている、2011年9月30日に発売したJINS PCです。現代人が使用するスマホなどの機器が発するブルーライトから目を守ることを売りに爆発的なヒットとなりました。嵐の櫻井をCMに起用することで、認知度もアップ。売上・出店ペースともに右肩上がりの大快進撃を続けています。現在では累計400万本を突破したようです。
 
 
 
②株価を読み解く
 
ジェイアイエヌの株価を見てみると売上、出店ペースと同様JINS PCの発売以降、株価は右肩上がりに伸びていっています。
JINS PCの発売当初から株価を勝っていれば2年半でその価値は6倍にもなっています。こういった世の中に広まる商品を作る会社を見つけて株を買う事が出来れば大きなリターンを得られることが分かるかと思います。
株を買ってリターンを得るという意識はもちろん重要ですが、本当に売れそうな商品を作っているから株を買って応援するというスタンスで株を買う事ができれば、楽しくお金を稼ぐことができ、世の中のニュースに敏感に反応することができるようになり、ニュースや経済を読み解くことが楽しくなると思います。
 
 
 
Jins
 
 
③ジェイアイエヌの次の一手を読み解く
 
JINS PCの売れた一番のポイントは「需要の掘り起こしに成功したこと」だと思います。少し、言葉が難しければ「いらないとこれまで思っていた人に買わせたこと」だと解釈して下さい。普段眼鏡を掛けなかった人までもが、目を守るためという新しい理由で買ったことが凄いことだと思います。
 
今では使用する年齢層が高年齢化。老眼鏡の需要が高まっていることから、JINS PCでは次の一手として、老眼鏡タイプのJINS PCを発売していく予定です。
 
老眼鏡タイプのポイントは以下
・度数は4段階
・ユニセックスモデルで黒と茶色の2種類
・税別4900円
・対象は健康に関心をもつ40-50代
・ブルーライトカット機能付きは追加料金で対応
 
まずはオンラインでの動向をみて、実店舗での販売を検討していくとのこと。
売れ行きが好調で実店舗などでも販売していきますという情報が流れた時には株価の値上がりにも期待できるのではないでしょうか。

居酒屋の苦戦を読み解く3つのポイント!

20140827(水)日経MJ1面より

「早い!安い!ちょい飲み旋風」のタイトルのこの記事。グラスを片手に会社の愚痴などで盛り上がるのは居酒屋やバーではなく、身近なファミレスや牛丼屋さんでの「ちょい飲み」が増えているとのこと。この記事から居酒屋業界に関して3つのポイントから読み解いてみました。

①ちょい飲みの実態

タイトルに惹かれて記事を読んだところ実際に今、以下のような状況が見られているようです。

「バーミヤンでのボトルキープ 」
「吉野家でホッピーを飲みながら牛皿をつまむ」
「ファストフードでサークル飲み」

事実、バーミヤンでは7月の既存店のアルコール売上高が前年同月比で4%も増加しているとのこと。
ライフスタイルってこんな感じで時代とともに変わっていくんだなとしみじみと感じてしまいました。 

②業界への影響について

結論から申し上げると、居酒屋が安売り以外で対抗する策を見つけて集客に成功すれば業界にとって追い風であると私は見ています。企業が安い製品・サービスを求めるお客様だけの訴求に答え続けていくと、皆様がご存知の通り安売り合戦が起こります。安売りの危険性はここでは詳しく説明しませんが、企業の利益を直接下落させる原因になります。

今回のケースでは、バーミヤンや吉野家といった企業がお酒を飲める場を提供しており、彼らにとっては単価を上げることに成功していると言えるでしょう。確かにこれにより、居酒屋で安い飲みを求めていたお客様はそちらに流れて行くでしょうが、ここで一旦お客様をとられた居酒屋が安売りでお客様をとり戻すのか、差別化するサービスを見つけて新しいお客様を掘り起こすのか?で今後の居酒屋の行く末が変わってくると思います。安売りで対抗しても、ファストフードでの飲みに慣れたお客様が戻ってくることは非常に難しいのではないかと私自信は感じています。それよりも、新しいサービスで単価を上げて新しいお客様の集客に成功すれば、業界全体の利益の底上げに繋がり、より健全な業界の成長に繋がるものと信じて、今後の動向をチェックしていきたいと思っています。

③どこでデータをチェックしたらいいの?

このようなデータを今後も知りたいという方はどこを見たらいいんだろう?と思っている方も多いはず。
一般社団法人日本フードサービス協会という会社が毎月情報を発信しているので、ご確認下さい。

ご参考までに以下が2014年7月の外食産業データです。 

居酒屋は売上高、店舗数、客数、客単価ともに前年を下回っており、価格を下げてもなおお客様を取り戻せていない状況がよく分かると思います。 データを見る力をつけることが出来ればこのように色々な状況が見えてきて分析をすることが出来るようになります。上述したようなサービスを提供できる居酒屋にいち早く注目することができ、その会社の株を買う事が出来れば株の上昇に繋がるかもしれませんね。

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クルーズ業界を読み解く3つのポイント

2013年から景気の回復に伴いレジャーとしてのクルーズが新聞やテレビなどで取り上げられるようになってきました。

クルーズ業界を3つのポイントから読み解いてみましょう。

 

①日本のクルーズ業界の現状

日本を運行する船舶の乗船人数については国土交通省が毎年4月の下旬(25日頃)に詳細データを発表しています。それによると

(1)2013年のクルーズ旅行利用者が、過去最高の23.8万人(2012年は21.7万人 前年比9.9%(2.1万人)の増加)となった。
 
(2)外国船クルーズ乗客数も2013年6月に「ふじ丸」が運行を停止したものの、外国船社による日本発着外航クルーズが本格化したことから、過去最高の13.8万人(2012年は12.0万人 前年比14.8%(1.8万人)の増加)となった。
 
(3)外国船社が行う短期(3~7泊程度)の外航クルーズを利用する者が増えたことから、外航クルーズの平均泊数が、9.3泊から7.4泊(1.9泊減)と短くなった。

(4)今回は、日本発着の外航クルーズを利用する外国人数について、初めて調査が行われた。日本発着の外航クルーズを利用する外国人数は6千人となった。

(5)一方、日本発着の外航旅客定期航路を利用した日本人乗客数は、円安等の影響により、前年比45%減の18.5万人になった。

 
②世界と比べると
 

日本のクルーズ人口は過去最高になったとはいうものの、総人口の比率からするとたったの0.2%にすぎません。
世界で最もクルーズ人口が多いのはアメリカ・カナダ(北米)で、クルーズ人口は約1,170万人(総人口の3.3%)とその乗船人口は圧倒的です。
その次に続くのは欧州で、イギリスでは 170万人(総人口の2.5%)、ドイツは150万人(総人口の約1.9%)と、人口比率でみると日本の10倍以上の比率となっています。


日本でクルーズが流行るには今後、日本でクルーズが庶民のレジャーとなり、仮に日本が欧州並みの1%まで乗船人数が増えれば100万人の市場になります。そうなれば、更にクルーズ事業に乗り出す会社も増え、価格競争が起きてくればもっともっと庶民にも手が届きやすいレジャーとなります。そのためには、まず日本人の休日の取り方に変化が必要です。クルーズにはどうしても数日間の休みが必要。中期の休みがとれるようような社会の仕組みが出来てくると、クルーズにも足を運びやすくなります。
 
 
③投資の観点から
 
日本でクルーズ事業を行っている会社は飛鳥を運行する郵船クルーズ、これは日本郵船(証券コード 9101)の子会社です。
にっぽん丸を運行するのは、商船三井客船株式会社で、これは商船三井(証券コード 9104 )のグループ会社です。
株価へのインパクトを考えてみましょう。
日本郵船の2013年度の業績を見てみると売上高は2兆2,372億円。このうち、郵船クルーズやCrystal Cruise社からの売上で452億円と約2%ほどの影響しかないことが分かります。経常利益率も全体の1.2%程度です。すなわちクルーズ事業が今人気!などと騒がれたからといって、大きく日本郵船や商船三井の株価に影響を与えることは少ないと考えられます。
 
 
参考
国土交通省がデータを公表しています。

「水辺ビジネス」を読み解く3つのポイント(日経MJ 20140915 月の記事から)

水辺ビジネスとは川沿いや河川敷で行うビジネスのこと。川下りなどの川を利用したアクティビティだけでなく、最近では飲食店など自然の間近での心地よさを売りにするビジネスも増えてきました。これには、2011年度から国による規制緩和があったことが上げられます。

水辺ビジネスを読み解く3つのポイント!

 
①メリットとデメリットは?
水辺でビジネス(飲食店)をすることのメリットとしては集客効果の高さが上げられます。水の流れを横目に、食事や休息を楽しむことを好む人は多いでしょう。デートなどに使用されることでも高い集客効果を見込めます。日常とは違う雰囲気を味わいたい人に人気です。
デメリットは、天候に左右されやすいこと。大雨などの悪天候時では川沿いを避ける人が増えます。また、商業地という認識がまだ浸透していないためにメリットである高い集客効果を得るためには店を認知させる必要性があり、繁盛店にするためには経営者の手腕が必要になってきます。
 
 
②具体例からの成功のカギを読み解く
東京都台東区の隅田川沿いに、7階立ての「MIRROR(ミラー)」があります。運営するのは全国でカフェ、スウィーツ店など約46店舗(2014年9月現在)営むバルニバービ食とアートを創造する複合商業施設としてオープン。オープンは2011年4月で築40年の倉庫(約2000㎡)を約5億円で購入して、2億円かけてリノベーション。6フロアにビストロ料理やバーなど3タイプの店が入っており、1日の集客はおよそ600名。年間売上は4億円。
 
社長が出店を踏み切ったポイントは以下の2つが期待できるからとのこと。
「水辺の癒しの効果」
「ロケーションをずっと確保できること」(目の前にスカイツリーが見える)
 
成功のカギは以下の3つ
(1)ハード面を水辺ビジネスに合わせて作り込んだこと
川を面にした壁は全面ガラス張りに、大きなオープンテラス。ビニールカーテンとヒーターを用意し、大雨の日以外はいつでも使える状況を作り上げたようです。
 
(2)ソフト面でお客に日常とのギャップを提供していること
内装や家具にはアジアのリゾートや北欧調の家具で、下町の風情とのギャップを出してお客様にインパクトを与えています。
 
(3)周辺と安全への気配りの徹底
以前は静かだった川沿いにお店を出す場合に最も気をつけなければならないのは騒音リスク。とくにこの店ではオープンテラスの形式にしているために、大きな声は近所に響き渡ってしまいます。外での営業は23時までとし、張り紙や直接の声がけでお客様にも配慮して頂いている様です。
また、突然の暴風などで設備が壊れてしまうことなども考えた設計や、壊れた設備を買い替えるリスクも考えた収支計算を行っているようです。
 
このようにして水辺ビジネスを成功させたバルニバービのグループ売上は以下のように成長が加速しているようです。
30億3000万円 (2011年7月期・単体)
36億4000万円 (2012年7月期・単体)
51億8000万円 (2013年7月期・連結)
 
 
③水辺ビジネスと聞いて今後どんなポイントを見ておけばよいか?
 
飲食店を出す場合は上記成功のカギの中でも特に③の周辺への気配りの徹底ができているかはチェックすべきでしょう。
 
また、規制緩和の動きはますます加速していき、大手の会社も商業施設に乗り出してくることは間違いありません。
水辺に資産を持っている会社の価値は上がることが予想されます。
 
住友倉庫(証券コード 9303)は実際に道頓堀沿いに「南堀江キャナルテラス」オープンして約10億円を稼ぎだすとのこと。
水辺ビジネスが加速していると報じられた時などは、水辺に資産をもつ企業の株をチェックしてみることをオススメします。
 
 
ちなみに
河川敷の大半は公有地。これまでは防災の面から民間企業が営利目的で利用するのは限定されていたのですが、2011年度から全国で可能になりました。規制緩和の流れを作ったのは大阪。5年ほど前から官民が連携して水辺の活用を推進。北浜テラスはその走りです。外国人や若者の集客に成功し、2013年度の利用客は8店舗で約6万人と2012年度に比べ倍増したようです。